【相関図あり】Netflix『極悪女王』登場人物まとめとキャストの関係性を徹底解説

1980年代の女子プロレス界――。その時代にリングへと上がり続けた女たちの、汗と涙と叫びを、Netflixがひとつの物語に仕立て上げました。

『極悪女王』。このタイトルが意味するのは、“ただのヒールレスラー”ではありません。

それは、時代の風に逆らいながら、観客の怒号さえも力に変えて生き抜いた、ひとりの女性のサバイバル。

ゆりやんレトリィバァ演じる主人公・松本香（ダンプ松本）を中心に、実在のレスラーたちの熱狂と苦悩が、鮮烈に描かれます。

このページでは、登場人物たちの関係性を相関図とともに解きほぐし、キャストが演じた“人生”の輪郭に迫っていきます。

Netflix『極悪女王』とは？あらすじと作品概要

Netflixオリジナルドラマ『極悪女王』は、昭和の女子プロレス界で“悪役”として観客からブーイングを浴びながらも、圧倒的な存在感で時代をつくったレスラー・ダンプ松本の半生を描いた作品です。

舞台となるのは、1980年代の全日本女子プロレス。時には観客に物を投げられ、時にはバッシングに晒されながらも、“極悪同盟”のトップとして君臨した松本香の物語は、ただの伝記ではありません。

これは、“自分の生き方”を貫くために、憎まれ役を演じた一人の女性の覚悟を描いた物語なのです。

監督は『新聞記者』『フタリノセカイ』の藤井道人。硬質でありながらエモーショナルな人間描写に定評のある映像作家が、女子プロレスという熱い題材を繊細にすくいあげています。

「これは、単なる“昭和ノスタルジー”ではない。私たちが、誰にも言えず抱えていた何かが、確かにそこにある。」

【相関図あり】『極悪女王』登場人物とキャストの一覧

このドラマが心をつかむ理由のひとつが、登場人物同士の“ぶつかり合い”にあると私は思います。

リングの上でしか語り合えない友情、仲間でありながらライバルという微妙な距離感、そして“見えない傷”を背負ったそれぞれの人生。

ここでは、その複雑な人間関係を整理するために、主要キャストと登場人物の相関図を紹介します。

登場人物が多くてわかりづらい…という人にも、この記事を読めばスッと入ってくるはずです。

まずは、ざっくりとした相関図から。

出典：ねとふりドラマ通信

• ダンプ松本（松本香）／ゆりやんレトリィバァ
• 長与千種／唐田えりか
• ライオネス飛鳥（北村智子）／剛力彩芽
• 本庄ゆかり（クレーン・ユウ）／えびちゃん（マリーマリー）
• 中野恵子（ブル中野）／堀桃子
• デビル雅美／根矢涼香
• ジャッキー佐藤／鴨志田媛夢
• マキ上田／芋生悠
• ジャガー横田／水野絵梨奈
• ラブリー米山／鎌滝恵利
• 松永高司（社長）／村上淳
• 松永俊国／斎藤工

それぞれが“正義”や“悪”を演じながら、自分の居場所を探していた。この人間模様が、ドラマに深みを加えているのです。

主要キャストの紹介と演じた登場人物の魅力

ゆりやんレトリィバァ／ダンプ松本（松本香）

“憎まれる勇気”を持った主人公――それが、ダンプ松本こと松本香。

ゆりやんレトリィバァが演じるこの役には、コメディアンとしての彼女ではなく、ひとりの表現者としての覚悟がにじんでいます。

リング上では鉄パイプを振り回し、観客から罵声を浴びる彼女。でも、その裏には「嫌われることでしか、自分の場所を守れなかった」という切実さがあった。

だからこそ、彼女の涙には“強さ”があるんです。

唐田えりか／長与千種

“クラッシュ・ギャルズ”の片翼を担う長与千種。唐田えりかの透明感は、彼女の中にある「信じることの痛み」を際立たせます。

ダンプとは同じ時代を生きながらも、まったく違う光と影を背負っていたふたり。

ときにライバルとして、またときに“同志”のような距離感が、物語に揺らぎをもたらします。

剛力彩芽／ライオネス飛鳥（北村智子）

剛力彩芽が演じるライオネス飛鳥は、長与との絆で結ばれた存在でありながら、内面に孤独を抱えた戦士でもあります。

彼女の演技から感じるのは、“支える側”であることの苦しさ。

リングでは華やかに見えても、心の奥では「誰かに理解されたい」と叫んでいる――そんな“無言の叫び”が、演技ににじんでいました。

えびちゃん（マリーマリー）／本庄ゆかり（クレーン・ユウ）

極悪同盟のもう一人の主軸、クレーン・ユウ。演じたえびちゃんの狂気じみた存在感は、ダンプとは違う種類の“怒り”を見せてくれました。

それは、愛されなかった記憶への復讐。

大げさに笑いながらも、目が笑っていない彼女。「強くならなきゃ死ぬ」という台詞が、今でも胸に残っています。

堀桃子／中野恵子（ブル中野）

ブル中野は、ダンプの“継承者”であり“希望”でもあった存在。

演じる堀桃子は、怒りの奥にある“哀しみ”を静かに滲ませます。

ダンプを見上げながらも、やがて追い越していく彼女の姿には、“居場所を受け継ぐ”ことの意味が込められていました。

極悪同盟とクラッシュ・ギャルズの関係性

“悪”と“正義”――それはプロレスの世界で、もっともわかりやすい構図です。

でも『極悪女王』を観ていると、その単純さに、どこか息苦しさを感じる瞬間がある。

それは、極悪同盟とクラッシュ・ギャルズが、ただの敵同士ではなかったから。

ダンプ松本率いる極悪同盟は、「嫌われること」を徹底しながらも、リングを成立させる“舞台装置”としての覚悟を持っていました。

一方、クラッシュ・ギャルズ（長与千種＆ライオネス飛鳥）は、“正義”を背負いながらも、時にその期待に潰されそうになっていた。

つまりこの2組は、対立していたのではなく、“共犯関係”にあったのです。

あなたが輝くためには、私が悪者にならなきゃいけない。

この“無言の了解”のもとで戦っていた彼女たちの関係は、もはやライバルではなく、運命共同体に近かったのかもしれません。

「私はあなたを憎んだことはない。ただ、あの時代が、そうさせただけ。」

登場人物のモデルとなった実在のレスラーたち

『極悪女王』の登場人物は、すべて“実在のレスラー”がモデルです。

だからこそ、彼女たちの叫びや、ぶつけ合う感情がリアルに響く。

ここでは、ドラマ内で描かれた人物たちの実在モデルを、簡潔に紹介します。

これだけのスターたちが、ひとつの時代を一緒に生きていた。

プロレスという非日常のリングの上に、現実よりもリアルな感情が交差していたことが、今の私たちにも痛いほど伝わってきます。

相関図から読み解く、物語の裏にある人間ドラマ

相関図を見ただけではわからない。この物語には、“言葉にされなかった感情”がたくさん詰まっている。

たとえば、ダンプ松本と長与千種の関係性。

表面的には「悪」と「正義」の構図だけど、実際には二人は互いにしか理解できない“孤独”を共有していた。

長与は「プロレスで夢を見せたい」と願い、ダンプは「誰かの夢になるために嫌われ役を引き受けた」。

つまり、2人とも“愛されたい”という気持ちで動いていたのに、それを表現する手段が真逆だったのです。

また、ブル中野とダンプの関係も同じ。

弟子でありながら、いつか先輩を超えていくという宿命を持っていたブル。

その中で描かれる、“尊敬と葛藤”が同時に存在する関係性は、今の私たちが抱える職場や人間関係にも重なります。

「一緒に笑った日も、一緒に泣いた夜も、本当は“戦い”だったのかもしれない。」

そう思えるほど、このドラマは、ただのプロレス物語ではなく、人間の“心のリング”を描いた作品なのです。

なぜ今、昭和女子プロレスを描くのか？

なぜ、この物語が2025年にNetflixで描かれたのか。

それは、今を生きる私たちに、リングの上の“叫び”が重なるからだと思うのです。

たとえば、ダンプ松本が背負った「嫌われ役として生きる」覚悟。

これは、現代社会で“空気を読んで自己主張を抑える”ことに慣れた私たちにとって、逆説的なヒーロー像なのかもしれません。

また、クラッシュ・ギャルズの華やかさの裏にあった孤独も、SNSで“いいね”を求めながら本当は心がすり減っている現代人に、どこかリンクする。

昭和女子プロレスとは、社会が用意した“キャラ”に苦しみながらも、それでも抗い、自分の人生をリングの上で表現しようとした女性たちの物語。

それは時代が違えど、今を生きる私たちがどこかで直面している、“自分らしく生きるとは何か？”という問いとつながっているのです。

「あの時代の彼女たちは、リングで“自分”を叫んでいた。今、私たちは、どこで叫べばいいのだろう。」

そんなふうに思わされた時、『極悪女王』は、単なるノスタルジーではなく、今を生きるための“物語の武器”になるのかもしれません。

まとめ：Netflix『極悪女王』は“女たちの叫び”だった

プロレスの世界に飛び込んだ、ひとりの少女。

ダンプ松本という“極悪”な仮面の下にあったのは、誰にも知られたくなかった、ただの「女の子」でした。

彼女がリングで流した汗も、怒りも、涙も――すべてが“生きる”ということの証明だったのだと思います。

『極悪女王』というドラマは、そんな彼女たちの物語を、あらためて“私たちの視点”で見直すきっかけを与えてくれました。

ダンプ、長与、飛鳥、ブル……それぞれの「居場所を求めて戦った物語」は、私たちが今どこでどう生きるかを問いかけてくる。

そして気づくのです。

誰かを憎んだり、誰かに怒鳴られたり、理解されなかった夜の向こうに、本当の“自分”がいたことを。

「これは、“極悪女王”の物語なんかじゃない。
これは、“すべての女たちの叫び”の物語だ。」

『極悪女王』、今だからこそ、観てほしい作品です。