『恋は闇』のロケ地は柏市？桜が美しい撮影スポットを巡る！

まるで、あのドラマの空気をそのまま閉じ込めたような風景が、千葉県柏市にあります。志尊淳と岸井ゆきのが出会った“あの場所”。春には、満開の桜がそっと物語に寄り添いながら咲いていました。

この記事では、そんな『恋は闇』のロケ地を、ひとつずつ辿っていきます――あのシーンに、もう一度、会いに行くために。

『恋は闇』のロケ地は千葉県柏市だった

ドラマの空気感は、風景に語らせる。
『恋は闇』が映し出す世界は、誰かに強く訴えかけるのではなく、静かに、確かに、心の隙間に入り込んでくるような物語。その“語らない”力を支えていたのが、実はロケ地・千葉県柏市の風景だったのです。

柏市は、都心から電車で約30分という好アクセスながら、ほどよく静かで、温もりのある街並みが広がる地域。再開発の進む「柏の葉キャンパス」周辺には、整いすぎない都市の余白が広がっており、ドラマの“寂しさ”や“孤独”に寄り添う空気が流れています。

実際の撮影地となった「中十余二第二公園」は、地元住民に親しまれる小さな公園。決して有名ではありませんが、だからこそ“秘密の場所”のような親密さを感じられる場所です。

柏市の街並みには、“静けさの中にある物語性”があります。
古くからの住宅と新しいビルが混在し、にぎわいと孤独が隣り合う。そんな風景は、『恋は闇』が描く「生きづらさ」や「希望の予感」と自然に重なります。

――なぜ柏市だったのか。
それは、この街に流れる“余白”が、言葉にならない感情を許してくれるから。
観る者にとっても、きっとどこかで「自分もそこにいたような気がする」と思わせる親密な距離感が、この街にはあるのです。

桜が印象的だった「中十余二第二公園」

“あの出会い”が、風景ごと胸に残る理由。
志尊淳さん演じる設楽浩暉と、岸井ゆきのさん演じる筒井万琴。
ふたりの関係が始まる、あの静かな出会いのシーンが撮影されたのが、千葉県柏市の「中十余二第二公園」です。

この公園を初めて訪れたとき、「ああ、ここだ」と自然にわかるほど、映像の記憶と風景がぴたりと重なりました。
中央に大きく咲く桜の木。枝を広げるその姿は、まるで物語そのものが息づいているような存在感でした。

あのシーンで印象的だったのは、“セリフ”よりも“間（ま）”。
ふたりが言葉を交わす前に流れていた、静かな沈黙。その沈黙を優しく包み込んでいたのが、この桜の木だったのです。

アクセスは、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」から徒歩約20分。
住宅街の中にひっそりと佇んでいて、観光地というよりも“暮らしの一部”としてそこにある公園。だからこそ、生活の気配と物語が共存するという『恋は闇』の世界観に、ぴったりとはまったのでしょう。

春の季節には、桜が満開となり、淡く色づいた風景が静かに広がります。
そこには決して華やかな演出はないけれど、誰かの記憶にそっと寄り添ってくれるような、そんな温度の桜が咲いているのです。

――たったひとつの桜の下で、ふたりが出会った理由。
それは、花の美しさの中に、壊れやすくて、それでも手を伸ばしたくなる何かがあったからかもしれません。

春の柏市を彩る桜の名所

『恋は闇』の舞台となった柏市には、実は中十余二第二公園以外にも、桜が美しく咲き誇る場所がいくつもあります。

代表的なのが「柏の葉公園」。広大な敷地の中に桜のトンネルが広がるこの公園は、春になると多くの人々で賑わい、まるで別世界のような美しさを見せてくれます。桜並木の間を歩くと、どこか映画のワンシーンに迷い込んだような気持ちになるのです。

もう一つ注目したいのが「西十余二第2公園」。こちらは小さめの公園ながら、住宅地の中に突然現れる桜の存在感が強く、まるで誰にも知られていない“秘密の花園”のような趣があります。

どのスポットも、派手ではないけれど、物語の背景になりそうな“感情に寄り添う景色”ばかり。そんな場所が、この柏市には点在しているのです。

『恋は闇』の世界観とロケ地がリンクする理由

ドラマ『恋は闇』が描くのは、「好きになること＝傷つくことかもしれない」という、繊細で不器用な感情。その痛みや躊躇いを映し出すには、過度な装飾のないリアルな風景が必要でした。

柏市の街並みや公園の風景は、その“感情の余白”を見事に受け止めています。静けさ、生活感、そしてほんの少しの哀しさ。ロケ地の背景に流れる空気そのものが、ドラマのセリフを超えて語ってくれている気がするのです。

特に桜は、“一瞬の美しさ”と“散る儚さ”をあわせ持つ存在。愛と闇が同時に存在するこの物語にとって、桜はまさに物語の象徴でした。

『恋は闇』のロケ地巡りを楽しむポイント

ロケ地巡り――いわゆる「聖地巡礼」は、ファンにとって物語との再会のような体験です。でも、その土地に住む人たちの日常があることも、忘れてはいけません。

中十余二第二公園のように住宅街にあるロケ地では、静かに歩くこと、写真を撮る時には周囲への配慮をすることが大切です。ゴミを持ち帰る、道を塞がない、といった基本的なマナーを守ることで、作品と場所の両方に敬意を払うことができます。

また、桜の見頃を狙って訪れるのもおすすめ。3月中旬から4月初旬にかけてが最も美しく、特に朝や夕方は、まるでドラマのシーンに入り込んだかのような情景が広がります。

聖地巡礼と季節の共鳴──桜とドラマの“間”を歩く

ロケ地を歩くことは、ただの観光ではありません。そこには、「この場所で、あのセリフが生まれた」という実感があります。

ドラマの中で見た桜。その木の下で、誰かが誰かを想っていた。言えなかったことを、目をそらしながら伝えようとしていた。そんな“感情の残り香”が、風に乗ってまだそこに残っているような気がするのです。

特に、春の柏市は静かです。人も少なく、車も多くない。だからこそ、自分の気持ちと向き合いながら、ドラマの“余白”をもう一度体験できる場所になるのです。

まとめ｜『恋は闇』と春の柏市がくれたもの

『恋は闇』というドラマの余韻は、ただ画面の中にとどまるものではありませんでした。物語の中で描かれた感情や静けさは、実際の風景と出会うことで、より深く、肌に染み込んでくるのです。

柏市の桜の下に立つと、なぜか少しだけ、自分の心の中まで整理されていくような気がしました。言えなかったこと、伝えられなかった想い。そんな“闇”にそっと光を当ててくれるのが、このドラマであり、このロケ地だったのかもしれません。

春の空気に包まれながら、あなた自身の「恋」と「闇」に、少しだけ向き合ってみる旅を。そんな時間を、この柏市で過ごしてみてはいかがでしょうか。