2025年4月より放送が開始されたNHK土曜ドラマ「地震のあとで」。
本作は、村上春樹の短編集『神の子どもたちはみな踊る』を原作に、震災後の“見えない影響”と“人々の喪失”を描いた全4話構成のオムニバス作品です。
この記事では、「地震のあとで」のドラマに登場するキャスト情報や各話のあらすじを詳しくご紹介します。キャストの背景や役どころ、そして作品の見どころについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
- ドラマ「地震のあとで」の全4話の詳しいあらすじ
- 主要キャストの役どころと演技の見どころ
- 村上春樹作品ならではの幻想的な演出と音楽の魅力
「地震のあとで」各話のあらすじと注目ポイント
NHK土曜ドラマ「地震のあとで」は、村上春樹の短編集『神の子どもたちはみな踊る』を原作とし、震災後の日本を生きる人々の“見えない傷”や“心の喪失”を描いた全4話構成のオムニバスドラマです。
物語は1995年から2025年の30年間を舞台に、それぞれの時代背景と震災に触れる人々の感情の揺れ動きを中心に展開されます。
各話ごとに主演・舞台・テーマが異なるため、どのエピソードも独立した物語として楽しむことができるのが本作の魅力です。
第1話「UFOが釧路に降りる」
1995年の東京、阪神・淡路大震災のニュースを見つめ続けていた妻・未名(橋本愛)が突然失踪。
残された夫・小村(岡田将生)は茫然自失のまま、後輩に頼まれた届け物を持って北海道・釧路へと向かいます。
釧路で出会った謎の女性・シマオ(唐田えりか)に導かれるように、不可思議で幻想的な体験へと巻き込まれていく展開は、まさに村上作品の真骨頂。
人間の心の空白と、不確かな存在への向き合い方を描いた、深みのあるストーリーです。
第2話「アイロンのある風景」
2011年、茨城県の海辺の町。家出少女・順子(鳴海唯)は、流木を集め焚き火をする画家・三宅(堤真一)と出会い、次第に心を開いていきます。
東日本大震災を挟んだ時間軸の中で、震災を直接経験していない者同士が抱える喪失と再生の過程が丁寧に描かれています。
焚き火の炎の揺らめきと共に進む物語は、静謐な映像美とセリフの余白が印象的で、観る者の感情にじんわりと染み入ります。
内面の再生と癒しがテーマとなる、心に残る一話です。
第3話「神の子どもたちはみな踊る」
2020年の東京。宗教団体で育てられた善也(渡辺大知)は、東日本大震災をきっかけに信仰を捨てて以来、自らの出自と向き合えずに生きてきました。
地下鉄で「耳の欠けた男」を見かけた善也は、それが行方知らずの父親ではないかと感じ、追いかけていきます。
このエピソードでは、震災が個人の信仰や家族観にどう影響するかを深く掘り下げています。
宗教的モチーフとアイデンティティの模索がテーマとなり、非常に哲学的な余韻を残す構成です。
第4話「続・かえるくん、東京を救う」
2025年、東京。銀行を定年退職した片桐(佐藤浩市)は、漫画喫茶で静かに暮らしていました。
ある日、突如目の前に巨大なカエル「かえるくん」(声:のん)が現れ、「まもなく東京で地震が起きる」と警告します。
実は30年前にも同じような経験があり、その記憶を巡りながら再び“東京を救う”戦いへと巻き込まれていく、幻想と現実が交差する異色のエピソードです。
ユーモアを含みつつ、人生の意味や記憶の曖昧さに向き合う構成は、まさに村上作品らしい締めくくりとなっています。
それぞれのエピソードは、震災という共通テーマを背景に持ちながらも、異なる視点や感情を通して、“人間とは何か”を問いかけてきます。
「地震のあとで」は、見るたびに新たな解釈が生まれる、奥行きの深いドラマシリーズです。
地震のあとでの主要キャストと役どころ
NHK土曜ドラマ「地震のあとで」は、実力派から若手まで多彩な俳優陣が集結し、それぞれの役に深みを与えています。
岡田将生や佐藤浩市といった主演級に加え、唐田えりか、鳴海唯、渡辺大知といった話題性のある俳優の配役も見逃せません。
ここでは、各話を彩るキャストとその役どころを詳しく紹介します。
岡田将生(小村役)|第1話主演
岡田将生が演じる小村は、突然失踪した妻・未名を探しながら北海道・釧路へと旅立つ中年男性。
心にぽっかりと穴が開いたような小村の心情を、静かな演技と繊細な表情で見事に表現。
釧路で出会うシマオとのやりとりを通じて、感情の揺れと再構築のプロセスが描かれています。
鳴海唯(順子役)|第2話主演
若手女優として注目される鳴海唯が演じるのは、震災後に海辺の町へ逃れてきた家出少女・順子。
順子は孤独を抱えながら生きる中で、流木を集める画家・三宅と出会い、少しずつ心を開いていきます。
東日本大震災後の孤独と寄り添いをテーマにしたこのエピソードで、鳴海は若者の葛藤と再生を繊細に演じています。
渡辺大知(善也役)|第3話主演
渡辺大知が演じる善也は、かつて母親の影響で宗教団体に所属し、「神の子」として育てられた青年。
震災を契機に信仰を捨てた彼が、地下鉄で“父かもしれない男”を見かけたことから、自らのルーツと向き合う旅に出ます。
この役どころでは、過去と現在の対峙、信仰と現実のはざまが表現されており、渡辺の内省的な演技が高く評価されています。
佐藤浩市(片桐役)|第4話主演
第4話で主人公を務めるのは、名優・佐藤浩市。彼が演じる片桐は、定年退職後に漫画喫茶でひっそりと暮らす元銀行員。
そこに現れた巨大なカエル「かえるくん」と共に、東京を救う“戦い”へ巻き込まれていきます。
ファンタジー要素の強いこの話において、リアリティを保ちつつ人間味をにじませる演技はさすがの一言。
唐田えりか(シマオ役)|物語を揺さぶる鍵の人物
唐田えりかが演じるシマオは、第1話で主人公・小村と釧路で出会う謎めいた女性。
彼女の言動は、視聴者にも“正体が掴めない”という印象を与えます。
心をかき乱す存在でありながらも芯のある人物像を、唐田は感覚的かつ緻密に表現。
インタビューでは「演じながらも分からなかった」と語っており、村上作品の世界観を象徴する役として注目されています。
そのほかにも、橋本愛(小村の妻・未名役)、堤真一(三宅役)、のん(かえるくん・声のみ出演)など、豪華かつ多彩なキャストが作品全体に深みを与えています。
キャストの演技が、視聴者の感情に静かに寄り添うことこそ、本作が多くの人に響く理由と言えるでしょう。
村上春樹の世界観を映像化|幻想と現実が交差するドラマ
「地震のあとで」は、村上春樹の短編集『神の子どもたちはみな踊る』を原作としたテレビドラマですが、単なる映像化にとどまらず、その世界観を“体験”として再構築しています。
映像、音楽、演出、セリフ、沈黙に至るまで、すべてが計算され尽くし、観る者の感情を静かに揺さぶる構成となっています。
ここでは、その独自性を支える3つの軸について解説します。
脚本と演出の魅力:大江崇允と井上剛によるタッグ
脚本を手がけたのは、映画『ドライブ・マイ・カー』で高い評価を受けた大江崇允。
彼は、村上作品に必要な“余白”を理解したうえで、登場人物の内面描写や間の使い方に特別なこだわりを持っています。
演出を担当した井上剛(『その街のこども』『あまちゃん』など)は、静けさとリアリティの融合に長けた演出家であり、本作では“語らないことで語る”という村上流の表現を忠実に再現しています。
大江と井上のタッグによって、ドラマは視覚・聴覚の両面から原作の本質に迫っています。
音楽:大友良英が描く深みある世界
本作の音楽を手がけたのは、『あまちゃん』でも知られる大友良英。
彼の楽曲は、幻想的な空気感とノスタルジックな情緒を巧みに融合させ、視聴者の心に残る印象的なサウンドを創り出しています。
各話のエンディングに流れるメロディは、物語の余韻を深める重要な要素となっており、音楽による語りが物語にさらなる奥行きをもたらしています。
作品全体に流れる“余白”と“問いかけ”
「地震のあとで」は、村上作品に共通する「すべてを説明しない」スタイルが徹底されています。
観る者自身に“解釈”を委ねる構造があり、それが作品に深みと普遍性を与えています。
登場人物たちは震災に直接向き合うのではなく、“影”として存在する震災に静かに揺さぶられながら日々を生きています。
その姿を通じて、視聴者自身の心の中にある“地震のあと”と向き合うよう促されるのです。
だからこそ、本作は単なるドラマではなく、“見る体験”から“感じる体験”へと昇華された作品だと言えるでしょう。
「地震のあとで ドラマ キャスト あらすじ」まとめ
NHK土曜ドラマ「地震のあとで」は、震災がもたらした“心の揺れ”や“見えない影響”を描いたオムニバス形式の作品です。
1995年の阪神・淡路大震災から2025年までの30年間を背景に、それぞれの時代を生きる人々が抱える喪失感、孤独、葛藤を丁寧に描いています。
村上春樹の原作をもとに、幻想と現実のあわいを映像で表現するという挑戦は、視聴者に深い問いかけを投げかけています。
ドラマから伝わる震災の記憶と人間模様
本作は、被災地ではなく“遠くにいる人々”に焦点を当てたことで、震災の影響がどれほど広く深く人々の心に波及しているかを浮き彫りにしています。
震災という出来事が、目に見える被害だけでなく、「生き方」や「人間関係」にまで影響を及ぼすことを、本作は静かに、しかし確実に伝えています。
キャストの熱演が描く喪失と再生の物語
岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市といった実力派俳優が、それぞれのエピソードで独自の色を出しながら役を演じています。
さらに、唐田えりかや橋本愛、堤真一、のんらの存在感も際立ち、多様な視点と感情を見事に交錯させています。
演者一人ひとりが持つ感性が、作品全体の空気感と重厚さを支えていると言えるでしょう。
見逃せない全4話、余韻が残る映像体験を
「地震のあとで」は、一度見ただけでは捉えきれない“深さ”を持つ作品です。
それぞれの話が独立している一方で、どこかで感情がつながっており、視聴者自身の記憶や経験と重なる瞬間が必ず訪れます。
ぜひ、全4話を通してこの世界観を味わい、自分なりの“解釈”と“余韻”を持ち帰ってください。
NHK総合にて、毎週土曜22:00より放送中です。まだご覧になっていない方も、見逃し配信などでチェックする価値がある一作です。
“地震のあと”に私たちがどう生きるか――その問いを胸に、本作をじっくり味わってみてください。
- NHKドラマ「地震のあとで」は全4話構成のオムニバス
- 各話で異なる主人公が震災の“影”と向き合う
- 岡田将生・佐藤浩市ら実力派俳優が出演
- 村上春樹作品の余白と幻想を忠実に映像化
- 脚本は『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允
- 音楽は大友良英が担当、静かな余韻を演出
- 「見えない喪失」と「再生」がテーマ
- 幻想と現実が交差する深い人間ドラマ
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