昭和の海辺の街で始まった、ぎこちなくもあたたかな夫婦の物語――ドラマ『波うららかに、めおと日和』。そのエンディングに流れる主題歌が、まるで登場人物たちの心の声のように響いてくるのは、偶然じゃない。
今回は、このドラマを締めくくる主題歌『夢中』を深掘りします。歌っているのは誰?どんな思いが込められているの?――ドラマの余韻をもう一度味わいながら、音楽が物語とどう寄り添っているのか、じっくり見ていきましょう。
📝 この記事を読むとわかること
- 『波うららかに、めおと日和』の主題歌を歌っているのがBE:FIRSTである理由と背景がわかる
- 主題歌『夢中』の歌詞やメロディーに込められた“純愛”のメッセージが解釈できる
- ドラマのエンディング演出と楽曲の関係から、物語が伝えたかった想いが浮かび上がる
『波うららかに、めおと日和』の主題歌はBE:FIRSTの『夢中』
エンディングで流れるその歌声に、思わず息を呑んだ人も多いのではないでしょうか。
ドラマ『波うららかに、めおと日和』の主題歌を担当するのは、7人組ダンス&ボーカルグループのBE:FIRST。いま音楽シーンで最も勢いのある彼らが、このドラマのために書き下ろしたのが、ラブソング『夢中』です。
作品の舞台は昭和11年。言葉よりも、視線や沈黙が“気持ち”を伝えていた時代。そんな時代の空気をまとったドラマの世界に、BE:FIRSTの『夢中』は不思議なほどよく馴染んでいます。
「まっすぐで、どこか不器用。でも、確かな想い」
その感情を、リリックとメロディーで丁寧に掬い上げたこの曲は、ただの主題歌ではありません。まるで、ドラマの続きの“心の声”のように聴こえるのです。
ゴスペルの温かさを感じさせるサウンド、メンバーたちの息の合ったハーモニー。それはまるで、ふたりの距離が少しずつ近づいていく様子を音にしたかのよう。昭和の町並みと、現代の音楽が交差する奇跡のような瞬間が、毎週ラストに訪れます。
「この曲があって、物語が完成する」
そう感じさせてくれるほどに、『夢中』はこの作品の一部として、確かな役割を果たしているのです。
BE:FIRSTとは?――主題歌に抜擢された理由とは
BE:FIRST――その名前は、いまの日本の音楽シーンを語る上で欠かせません。SKY-HIが手がけたオーディション『THE FIRST』から生まれた7人組で、デビュー以来、圧倒的な表現力とジャンルレスな音楽性で話題を呼んでいます。
彼らの強みは、「感情の翻訳者」であること。
ただ歌がうまい、ダンスがキレてる――それだけじゃない。歌詞の奥にある“言葉にならない気持ち”を、声や空気感で届ける。それが、BE:FIRSTの真骨頂です。
今回の『波うららかに、めおと日和』は、感情を押し殺して生きていた時代の夫婦像を描いた作品。そんな物語に必要なのは、“説明”じゃなく“寄り添い”。
そして、BE:FIRSTが歌う『夢中』には、まさにその“寄り添う力”があった。
「あなたの代わりに、あの人に気持ちを届けるよ」っていうような、そんな役割を果たしてくれているのです。
メンバー自身も、「このリリックを、自分たちの声でちゃんと伝えたい」とコメントしていて、ドラマの世界観へのリスペクトがひしひしと伝わってきます。
タイアップというより、“共同作業”に近い今回のコラボレーション。BE:FIRSTがこのドラマの主題歌に選ばれたのは、偶然じゃない――むしろ、必然だった。
歌詞に込められた“純愛”のメッセージ
『夢中』を聴いていると、まるでドラマのセリフをもう一度なぞっているような気持ちになります。
言葉はシンプル。でも、その裏にある想いはとても深い。そんな歌詞が、この物語と不思議なほど寄り添っているのです。
「うまく言えないけど、君の隣にいたい」
そんなニュアンスの言葉が、まさに“なつ美と瀧昌”の関係性そのもの。強く求めるわけじゃない。でも、あなたの存在が、今日の自分を支えてくれてる――そんな感情が、ひとつひとつのフレーズに滲んでいます。
この曲の核にあるのは、“派手じゃない愛”です。
言葉にしなくても伝わるものがある。視線や沈黙で通じ合える距離がある。それを“愛”と呼んでいいんだよ、って言ってくれている気がするのです。
BE:FIRSTの声は、そんな繊細な感情の揺れを絶妙に表現しています。まるで“気づいてほしい誰か”の心の声みたいに。
『夢中』は、ただのラブソングじゃない。この物語の“内なる語り手”として、ふたりがまだ言葉にできなかった感情を、私たちにそっと届けてくれている。そんな存在です。
エンディングが語る“ふたりのこれから”
夕暮れの海辺。並んで歩くふたりの背中。
その静かなシーンに、『夢中』のメロディーがそっと重なるとき――言葉では語りきれなかった感情が、画面の外にまで広がっていくのを感じます。
『波うららかに、めおと日和』は、“未来”をあまり語らないドラマです。明日どうなるかもわからない、ふたりの関係。だけど、このエンディングだけは、ちゃんと“これから”を描いていたように思います。
あのラストシーンに流れる『夢中』は、セリフ以上にふたりの心を物語っている。
たとえば、「きっと、大丈夫」。そんな根拠のない確信を、視聴者に残してくれるのです。
ドラマの終わりは、物語の終わりじゃない。音楽が、その先の余韻を紡いでくれる。それがこの作品のエンディング演出の巧さであり、BE:FIRSTの『夢中』が持つ“語り手”としての力なのだと思います。
物語は幕を閉じても、あのメロディーが、ふたりの時間を“続かせて”くれる。
それがこのエンディングが、何よりも美しく、心に残る理由なのです。
『夢中』が収録されたシングル「GRIT」の情報
『夢中』は、BE:FIRSTのニューシングル『GRIT』に収録されています。リリースは2025年5月28日。一足先に、4月25日から先行配信がスタートしており、すでに多くのリスナーの心をつかんでいます。
この『GRIT』というタイトルもまた、“粘り強さ”や“ひたむきさ”を意味する言葉。それはまるで、ドラマの主人公ふたりの姿勢そのもの――不器用でも、まっすぐに歩もうとするふたりの人生とシンクロしているようです。
さらに注目なのが、『夢中』のLyric Video。
映像には、柔らかな光、静かな波、そして淡い色彩が広がり、まるで“物語の余白”を映像化したかのような世界観が描かれています。
歌詞にそっと寄り添いながら映し出されるシーンの数々に、ドラマで感じた想いがふたたび蘇る。言葉と音と映像が交差して、一曲が“記憶の装置”になる瞬間です。
この『GRIT』という作品に収められた『夢中』は、単なる主題歌ではありません。
それは、“ドラマのつづき”であり、“あなたの物語のBGM”でもある。
まとめ:音楽が繋ぐ、物語のもう一つの“告白”
『波うららかに、めおと日和』という物語は、声を荒げることなく、静かに心の奥を揺らしてきました。
その余韻を、最後まで丁寧に抱きしめてくれたのが、BE:FIRSTの『夢中』だったのです。
この楽曲が流れることで、物語が終わってしまう寂しさより、「あのふたりは、これからも生きていくんだ」という温かな予感が残る。主題歌ではなく、ひとつの“告白”として聴こえてくる。そんな経験、そう多くはありません。
『夢中』は、登場人物が言えなかった言葉の代弁者であり、私たち視聴者の心の中に沈んでいた気持ちまで掘り起こしてくれるような存在です。
“音楽が、物語の続きを語る”
このドラマのエンディングは、そのことを証明してくれた名シーンでもありました。
忘れられないラストには、必ず「音」がある。
その記憶の中に、きっとこれからも『夢中』はそっと流れ続けていくはずです。
📝 運営者の考察
『夢中』って、ただの恋愛ソングじゃないんですよね。言葉にできなかった気持ちを、音楽が代わりに伝えてくれてるような感覚。ドラマの中でなつ美と瀧昌がうまく気持ちを交わせないときも、この曲がそっと背中を押してる。そんな関係性が、すごく素敵でした。たぶん視聴者の中にも、「自分もこうだったな」って思い出す瞬間があったんじゃないかな。音楽と物語が一緒に心に残るって、こういうことかもしれません。