【ラブロマンス編】2025年に話題の韓国ドラマおすすめベスト5

「その瞬間、時間が止まった気がした」――
アイドルとファンという、交わることのないはずのふたりが“時を超えて”出会ってしまったとき、運命は静かに動き出します。

『ソンジェ背負って走れ』は、“推し”という存在をただの憧れではなく、「人生を照らしてくれた光」として描いた珠玉のラブストーリー。
主演のピョン・ウソクが演じるソンジェは、ステージの上では誰よりも輝くが、誰にも言えない寂しさを抱える青年。
一方、キム・ヘユン演じるイム・ソルは、ソンジェの音楽に救われた“ただの一ファン”。

そんなふたりが出会うのは、偶然ではなく“感情が時空を超えた必然”。
彼の未来を変えようとする彼女の姿に、ただのロマンスを超えた“祈り”のような想いが重なります。

本作がここまで多くの視聴者の心を掴んだ理由は、単に胸キュンな展開やファンタジー設定ではなく、「誰かに何かを届けたい」と願う気持ちを丁寧にすくい取っているから。
“推し活”にリアルな思いを込めてきた人なら、きっとどこかで涙してしまう一作です。

一緒にいるのに、なぜこんなに孤独なのだろう。
『涙の女王』は、そんな問いを抱えているすべての人に寄り添う物語です。

キム・スヒョン演じる夫と、キム・ジウォン演じる妻。
一見“理想の夫婦”に見える二人は、結婚3年目を迎えて、互いの心の距離に静かに気づいていきます。
生活の中に埋もれた言葉たち、目を逸らしてきた気持ち、重ねてきた沈黙――
このドラマは、恋が終わった先にある「関係の物語」を描いています。

特筆すべきは、ふたりの感情が爆発するのではなく、“壊れそうで壊れない日常”が丁寧に積み重ねられていく脚本と演出。
何気ない食卓の会話、ふとした視線のズレ、沈黙の中に宿る思いやり――それらすべてが、視聴者の心に沁みわたります。

終盤にかけて、ふたりが見つめ直す「夫婦という形」。
それは決してハッピーエンドだけを提示するものではなく、“大人の愛”が持つ現実と優しさを静かに肯定するものでした。
結婚という言葉に疲れた人にも、もう一度愛を信じたくなるような夜をくれる作品です。

「演じてるだけのはずだった」
けれど、気づいたときにはもう、自分の中で何かが変わっていた――。

『ウエディング・インポッシブル』は、無名女優ナ・アジョンと財閥家の跡継ぎイ・ジハンが、“偽装結婚”をきっかけに始まるラブコメディ。
表面は軽やかなのに、気づけば心の奥をぐっと掴んでくる、そんな不意打ちのような魅力がある作品です。

アジョンを演じるチョン・ジョンソの、“誰かに選ばれたい”という心の叫びと、
ジハンを演じるムン・サンミンの、不器用だけど一途なまなざしが交差するたび、視聴者の感情もまた揺れ動きます。

偽りから始まった関係が、本物になってしまう瞬間――
それはたった一つのセリフや、何気ない仕草に宿ることもある。
「あの手を離さないで」と願ったあの日の気持ちが、物語の中でそっと救われていきます。

何度すれ違っても、ちゃんと気持ちは伝わる。
『ウエディング・インポッシブル』は、そんな“恋が本当になる奇跡”を信じさせてくれるドラマです。

「笑ってほしい」と思いながら、「笑顔が嘘に見える」と感じてしまう。
『キング・ザ・ランド』は、そんな“表情に宿る感情”をめぐる物語です。

ジュノ（2PM）演じるク・ウォンは、ホテル王の御曹司。
幼い頃から“笑顔”を利用されてきた彼にとって、それは信用できない仮面でしかありません。
一方、ユナ（少女時代）演じるチョン・サランは、笑顔で接客を続けるホテルスタッフ。
その笑顔の裏には、自分の夢や悔しさ、そして“誰かを幸せにしたい”という静かな情熱が宿っています。

「笑っているのに、泣いているように見えた」
そんな視線の交差から始まるふたりの関係は、少しずつ互いの本音を引き出し、
やがて本当に“笑い合える”未来を探していきます。

ク・ウォンの不器用なツンデレぶり、サランの健気な優しさ、そしてホテルという閉ざされた世界で生まれる温度差――
このドラマは、“どこまでが仕事で、どこからが気持ちか”を問いながら、
ほんとうの愛のかたちを、そっと見せてくれます。

王道なのに新鮮。甘いのに切ない。
『キング・ザ・ランド』は、“誰かの笑顔の理由になりたい”

「触れたら、あなたは死ぬ」
そんな呪いを抱えた彼女と、それでも彼女に近づこうとする彼。
『魔女-君を救うメソッド-』は、“愛することが恐怖になる”という極限の状況から始まる、ミステリーラブストーリーです。

パク・ジニョンが演じる主人公は、他人を癒す力を持ちながら、自分自身の痛みには鈍感な青年。
ノ・ジョンウィが演じる“魔女”と呼ばれる少女は、人を愛すれば愛するほど、相手を傷つけてしまうという宿命を背負っています。

ふたりが心を通わせていく過程は、決して甘くも華やかでもありません。
近づくことがリスクである関係性の中で、それでも手を伸ばそうとする姿に、多くの視聴者が“静かな涙”を流しました。

本作の魅力は、呪いや運命という外的な要素以上に、
「自分には愛される価値がない」と思ってしまう心の闇を、丁寧に描いているところ。
誰かを救いたいと願うその気持ちは、きっと“自分も救われたかった”という痛みの裏返しなのかもしれません。

スリリングな展開と、心に残る余韻。
『魔女-君を救うメソッド-』は、“近づけない関係”を描くことで、逆に「本当の愛とは何か」を強く浮かび上がらせてくれる作品です。

2025年の韓国ラブロマンスドラマは、単なる“恋の物語”ではなく、心の奥にある「触れられたくなかった感情」に寄り添う物語として進化しています。

誰にも言えなかった想い。忘れたふりをしてきた過去。
そんな心の片隅にそっと灯をともしてくれるのが、今回ご紹介したようなドラマたち。

あなたの「忘れたくない誰か」が、きっとここにいる。
そんな気持ちに気づかせてくれる“避難所”のような物語を、ぜひあなたの毎日に取り入れてみてください。