続・続・最後から二番目の恋 えりな役・白本彩奈が語る24歳の今

『続・続・最後から二番目の恋』で再び“えりな”を演じる白本彩奈が、24歳となった今、自身の役柄や人生観について語っています。

13歳でシリーズ初登場した彼女は、今作で美大卒のアーティストという新たな設定で登場し、その成長ぶりに多くの視聴者が注目。

この記事では、白本彩奈が演じる“えりな”の変化と、本人が語る“24歳の現在地”を深掘りします。

13歳から24歳へ。白本彩奈が再び「えりな」と向き合う

2025年4月からスタートしたフジテレビの月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』で、長倉和平（中井貴一）の一人娘・えりなを演じるのが、俳優の白本彩奈です。

彼女は2012年の第1シリーズ、2014年の続編にも出演しており、今回のシリーズで11年ぶりに「えりな」として戻ってきました。

13歳だった少女が、24歳の女性として再び同じ役柄と向き合うという稀有なキャリアを歩んでいます。

当時の白本さんは、ゴールデンタイムの連続ドラマにレギュラー出演するのが初めてで、緊張とともに現場に立っていたそうです。

えりな役は、市職員である父・和平とぶつかりながらも、どこかで父を理解しようとする思春期の少女という難しいポジションでした。

それを自然体で演じた白本さんの演技は、当時から多くの視聴者に好評を博していました。

今回の『続・続・最後から二番目の恋』で登場した彼女の姿には、視聴者から「誰かと思った」「本人？」と驚きの声が相次いでいます。

ショートカットにしたビジュアルが印象的で、SNSでは「えりなちゃんのショートめちゃかわ」などの声が多数見られました。

この外見の変化とともに、演技にも深みと落ち着きが加わり、“大人になったえりな”をリアルに体現しています。

白本さん自身もまた、10代から20代にかけて多くの経験を積み、女優として着実にステップアップしてきました。

現在では映画や舞台にも出演し、難役にも果敢に挑む姿勢が評価されています。

今回のドラマ復帰は、彼女にとって「原点回帰」であり、かつ新たな表現者としての“今”を映し出す場となっているのです。

『続・続・最後から二番目の恋』の中での「えりな」の役割とは？

今回の『続・続・最後から二番目の恋』では、えりな（白本彩奈）は24歳の大人の女性として登場します。

前作で中学生だった彼女は、美術大学を卒業し、現在は実家に戻って海洋ゴミを素材にアートを制作する“海ゴミアートクリエイター”として活動しているという設定です。

これは現代的かつ社会的なテーマを内包しており、えりなというキャラクターの成長と時代の変化を象徴しています。

ドラマの中では、彼女は相変わらずクールでドライな性格を見せながらも、芯には情熱や理想を秘めた女性として描かれています。

父・和平に対しては手厳しい言葉をぶつけるものの、それは決して“拒絶”ではなく“真正面から向き合っている証”とも取れます。

「甘え」ではなく「対等な大人としての関係」を築こうとする姿勢に、視聴者から共感の声が集まっています。

特に印象的なのは、えりなが父親に向けて放つ鋭いセリフの数々です。

その言葉には若い世代特有の現実感と、自立した視点が反映されています。

かつて子どもだった“えりな”が、今では一人の社会人として自分の意見をはっきりと述べる立場に変わっていることが、物語の対比として非常に効果的に描かれています。

また、えりなと千明（小泉今日子）の関係にも注目です。

父親には辛辣でも、千明にはどこか懐いているような表情を見せる場面もあり、親子とは異なる信頼関係が垣間見える構図が印象的です。

これは、えりなが成長した今だからこそ成立する関係性であり、過去シリーズからの時間の流れを実感させる演出となっています。

このように、えりなはドラマの中で“若者世代の代表”としての立場を担いながらも、

大人たちと対話し、ぶつかり合いながらも新しい価値観を提示するキャラクターとして物語に深みを与えているのです。

単なるサブキャラクターではなく、ドラマの構造を支える“世代を超えた対話の象徴”として、重要な役割を担っています。

白本彩奈が語る「24歳の現在地」と女優としての覚悟

2025年現在、白本彩奈は24歳。子役から活動をスタートし、今では舞台・映画・ドラマと幅広いジャンルで活躍する女優へと成長しています。

今回の『続・続・最後から二番目の恋』出演をきっかけに、改めて「女優・白本彩奈」としての現在地が注目されています。

その演技には、若さだけではない“経験からくる深み”がしっかりと息づいています。

2024年には映画『箱男』にも出演。

安部公房の難解な原作を基にしたこの作品で、白本さんは謎の女性・葉子という非常に象徴的な役どころに挑戦しました。

「この時代にこの作品をやる意味を常に考えていた」と語るその姿勢は、彼女の役者としての本気度を物語っています。

白本さんはインタビューの中で「役を通して“女性”の存在意義を考えることが増えた」と明かしており、

単なるセリフの暗記や演技の技術だけでなく、“その人物をどう生きるか”という視点で役と向き合っていることがわかります。

これは、10年以上にわたる芸能生活を経た彼女だからこそ持てる視点だと言えるでしょう。

また、彼女はSNSなどで自分の考えや感情を丁寧に発信しており、その文章からは誠実さと知性がにじみ出ています。

ファンとの距離感も程よく、演技の場だけでなく“人間・白本彩奈”としても好感を持たれている点が魅力です。

そんな彼女が、えりなという役を再び演じるにあたっては、「原点を大切にしながら、今の自分を重ねる感覚」で臨んだといいます。

子役時代から成長した自分を見せるだけでなく、視聴者と一緒に“時を重ねてきた”ことを共有したいという想いが、彼女の演技からは伝わってきます。

“再びえりなを演じる”という選択は、単なる続編出演ではなく、女優としての覚悟の現れとも言えるでしょう。

24歳という節目の年に、白本彩奈は新たな表現者としての姿を確かに刻み始めています。

白本彩奈が演じる“今のえりな”が投げかけるメッセージ

『続・続・最後から二番目の恋』において、白本彩奈が演じる24歳のえりなは、ドラマの中で“若い世代の声”を代弁する存在として重要な役割を果たしています。

父・和平やその同世代の大人たちに対し、ストレートかつ時に鋭く突き刺さる言葉を投げかけるえりな。

その一言ひとことには、現代を生きる若者ならではの視点が込められており、視聴者に「自分はどうだろう」と問いかける力があります。

えりなの発言は決して反抗的なものではありません。

「こうあってほしい」「こうあるべきだ」という大人たちの価値観に対して、“別の角度からの正しさ”を提示するものとして機能しています。

そのバランス感覚は、白本彩奈が年齢と経験を重ねてきたからこそ演じられる表現力に支えられているのです。

また、彼女が演じるえりなには「今の若い女性たち」が直面する葛藤や選択も反映されています。

自己表現と社会性のバランス、家族との距離感、未来への不安と希望。

これらをナチュラルに表現しながらも、登場人物としてのえりなが視聴者にメッセージを放っているのです。

それは単に“親との衝突”という枠に収まらず、“世代を超えた対話のきっかけ”となる存在へと昇華されています。

視聴者の中には、自分の娘や若い同僚、かつての自分自身と重ねて彼女を見ている人も多いはずです。

そんな彼女の姿に、今を生きるすべての世代が共感し、何かを感じ取っていることは間違いありません。

白本彩奈が演じる“今のえりな”は、

過去と現在、親と子、大人と若者の橋渡し役として、静かに、しかし力強く存在しています。

そのメッセージは、言葉だけでなく、佇まい、間の取り方、視線にまで宿っており、ドラマ全体に豊かな彩りを与えているのです。